三幸秀稔
×
前貴之
90分、42試合を勝つために。
いよいよレノファ山口FCの2019年シーズンが開幕します。昨シーズンはクラブのJ2史上最高順位の8位で終えたものの、昇格にも手が届きそうだっただけに悔しさも残るシーズンとなりました。
つかんだ手応えと、あと一歩及ばなかった反省点をバネに、新チームは昇格を目指して一戦必勝で戦う構え。今年への意気込みをキャプテンの三幸秀稔選手と、副キャプテンの前貴之選手に聞きました。
(取材:2019年2月13日(水) 山口県立おのだサッカー交流公園/記事:上田真之介 様)
ー ー 二人とも日焼けして、タイでのキャンプから帰ってきましたね。
三幸秀稔選手
タイは暑かった…。
前貴之選手
でも、日焼けは顔だけですよ。ずっと長袖。だからここ(袖口)までが焼けている。だいぶ落ちたけど。
三幸秀稔選手
暑さだけなら去年の方が暑かったけど、でも最後の日はマジで暑かった。チョンブリーとの試合。
前貴之選手
4キロくらい落ちた。めちゃくちゃやばいというほどではなかったけど、体重を量ったら4キロ落ちてた。
三幸秀稔選手
気温、34度あったって。湿度も高かったよね。
大輔は前半で死ぬかと思ったって言ってた。
匠は一番、サッカーを理解しようとしている。
ー ー キャンプは二人部屋。誰と一緒でしたか?
前貴之選手
僕は起海斗です。
三幸秀稔選手
タカ(前貴之)が指名したんだよね(笑)
前貴之選手
そう。(起は)新人研修があるから、その間は一人部屋になる(笑)
三幸秀稔選手
そんなこと言ってたら、意外と良かったんだよね?意外と安定していたって。
前貴之選手
楽でした。物怖じしない。でも、ちょっと何を考えているかは分からない(笑)
三幸秀稔選手
不思議ちゃんなところはあるよね(笑)
ー ー 三幸選手は佐々木匠選手と一緒でしたね。
三幸秀稔選手
ほぼサッカーの話。匠が思うことを俺やタカに聞いてくる。ボールをより受けるためにとか、 よりいい位置に居られるように。「タカくんがいるといないとでは自分の入ってくる位置も違うから、タカくんが出たときにどういう位置 を取ればいいのか」とか。考えながらプレーしているからこその質問。答え甲斐がある。
前貴之選手
僕にも聞いてくる。新加入選手の中では一番、サッカーを理解しようとしていると思う。試合も見ている。
三幸秀稔選手
そういう意味では、伝えたら伝わる。やろうとしてくれる。いいサイクルになってる。
前貴之選手
ドリブルできるし、受けられる。去年はそういう選手が決まらずに、それで三幸が上がったりしないといけなかった。今年はそこで受けられて、 前を向けて、ドリブルもできるし、パスもできる。去年のサッカーをやる上でのいい補強だと思います。
取り切れない時間のマネジメント。
ー ー プレシーズンマッチの マツダダービーでは前線から奪い返す場面が多かった。キャンプでかなり守備をやりこんだのでは?
三幸秀稔選手
やりこんだ部分もあるけど、そこをやらないと勝てないというのを去年、思い知らされた。自分たちがやりたいことだけを追い求めても、90分間で結果が出なかったり、 42試合で結果が出なかったりした。ベースを上げて、プラスアルファをしっかり出さないといけない。
攻撃の話よりも守備の話のほうが多いよね? こう帰ってきてとか、絞ってとか、けっこうタイで。攻撃もしましたが、守備もメインでできたのかなと思います。
前貴之選手
タイでも練習試合をしましたが、俺らが行けば取れて完結できていた。もっと上手く回されるようになれば、もっと課題が出てくる。まだなんとも言えない。リセットされて、陣形整えてやられていたら、 誰かがサボっているっていうことだけど…。ミスマッチを狙ってくるようなチームと戦うときにどうするか。それがどうなるかがまだ分からないので。
三幸秀稔選手
そこを90分間通して考えられる選手が増えてくればいいなと思う。去年の反省というか、全部行ってぽんぽんぽんっと回されてピンチが続くという時間や回数は減らせるようになる。 最初はベースは変えないで行くけど、取り切れなくなる時間にどう過ごすか。42試合や90分の間で一番大事になってくるので、そこを上手く乗り越えて、自分たちの流れになったときにしっかりボールが取れてくれば。
やっていてもそんなに差はなかったけれど、なんだかんだで強いチームには勝てなかった。耐えるところを耐えられたチームが上にいたし、しっかり決め切れていた。そういうのができたチームは上にいた。そこを求めなければ、上位に入っていくとか、 42試合で強いチームにはならない。そういうので毎試合を戦っていければ、積み重ねられるんじゃないかな。
ー ー 開幕戦の柏レイソル戦が試金石ということでしょうか。
三幸秀稔選手
柏がどんなふうに来て、俺らがどういうようにするのか。もしかしたら本当にボールが取れないかもしれない。
前貴之選手
そう。そうなったときの対策とか。
三幸秀稔選手
逆に勢いだけでバンと行って相手がひるんだら、ずっとこっちの時間帯になるかもしれない。 サンフレッチェは選手が交代して後半から流れが変わってきた。二つくらい追っていたら取れていたのが、 四つ、五つ必要になったり、ペナルティーエリアの近くまで行かれたり。一人入っただけで手数が増えた。
そういう選手が3人、4人と集まっているチームはこの先も出てくる。球際、球際で行ってるのに、転がるのが全部向こうに行って、取れてるはずなのに取れないという時も出てくると思う。そういうときに 自分たちが時間を上手くコントロールして、流れをコントロールして、耐えるところを耐えられるか。そういうところが勝ち点を積み重ねられるかにつながってくる。うまく戦って、 今シーズンは上位に居られるような試合ができればいいかなと。
背番号が変わるのは「面倒」!?
ー ー ところで、背番号は三幸選手が29で前選手が6。これまで所属したチームでも付けていましたが、こだわりは?
三幸秀稔選手
プロ1年目にもらった番号が29。デビューできて、ある程度いい流れもできた中で、大けがもして、 良い意味でも悪い意味でも思い入れのある番号。チームがない時からレノファに加入したので、もう一度そういう番号を付けたいなという思いで、今でも29を付けていますね。
前貴之選手
札幌の2年目からずっと6番ですね。
三幸秀稔選手
タカはけっこう「6」ってイメージが強い。
前貴之選手
1年目は31番だったけど、1年目はまあまあ試合に出たので6番を付けさせてもらった。レノファに来るときも6番が空いていたので。
サインとかで、番号が変わるの面倒くさいじゃないですか。慣れとかあるし。
三幸秀稔選手
何だよそれ!(笑)
前貴之選手
だから、空いているんだったら6番お願いしますっていう感じです。こだわりっていうのはないですが、6番に慣れているので。
三幸秀稔選手
サインはだんだん簡単になってくるよね(笑)。変えているつもりはないけれど。自分のは小学校のときに考えたサイン。
タカのサインは俺でも書ける(笑)
前貴之選手
ずっと使ってるサイン。二種登録でベンチに入ったときに考えたサインです。その時代はフェアプレーフラッグに選手全員がサインをしていた。 高校生だったのでサインとかも考えてなくて漢字で書いていたら、マネジャーに「そろそろ考えろよ」 と言われたので考えました。
新しくなるたびにカッコイイ。
ー ー さて、ここは「山口マツダ」プレゼンツのコーナーなのですが、まずはマツダの印象を聞かせてください。
三幸秀稔選手
マツダさんの車は、新しくなるたびにカッコイイなぁって思っています。
あとはイメージは霜さんっす(笑)。街で見かけたら全部、霜さんの車に見えちゃう。
前貴之選手
マツダの車は高級感があるよね。セダンも。
三幸秀稔選手
(パンフレットを見ながら)アテンザとかね。俺は内装もステアリングも好き。
前貴之選手
欲しい!(笑)
三幸秀稔選手
山口マツダさんに「前選手がちゃんと練習場まで乗るので、乗らさせてください」っていう要望を出さないと(笑)
前貴之選手
だとしたら、アテンザ かなぁ(笑)
三幸秀稔選手
タカの乗ってる車がカッコイイっていうことで宣伝したら、何台売れるかな。3台?
前貴之選手
3台…。
三幸秀稔選手
「売れなかったらタカが買います、3台分」っていう オプション付きで。あと「保険はこっちで入ります」ってのも。ね。
前貴之選手
…(苦笑)
ー ー 色は?
三幸秀稔選手
霜さんがグレーなので、あのイメージは強いです。
前貴之選手
セグくんは黒だけど、俺は赤のイメージが強い。CMとかも赤が多いよね。
三幸秀稔選手
街中ではグレーも多いよね。
ー ー 北海道と山口で車の選択って変わってくるもの?
前貴之選手
うーん。
三幸秀稔選手
北海道でスポーツカーに乗ってる人って、こっちほどいるの?
前貴之選手
いるよ。だけど、寒冷地仕様か…
三幸秀稔選手
だったら、SUVが一番いいんじゃないの?
前貴之選手
SUVが一番いいし、間違いなく4WDしか買わないかな。軽自動車で二駆だと絶対に坂道を上れないので。ファミリーカーでも二駆はほぼない。そのくらいかな。あとはワイパーも換えないといけない。
三幸秀稔選手
そうなの?
前貴之選手
冬用にね。
山口県での生活を満喫。
ー ー 二人とも山口県はあちこち行ったと思うので、おすすめのドライブコースを教えてください。
三幸秀稔選手
やっぱり角島かなぁ。
前貴之選手
秋吉台もいいよね。
三幸秀稔選手
けどやっぱ、海の近くかな。あとは萩! 萩はいいよ。
前貴之選手
寿司を食べに行きたいなぁ。関門海峡がいいかな。
ー ー ふらっと行くところは?
三幸秀稔選手
タカは温泉めぐりをしてるよね。
前貴之選手
うん、どこでも行きますよ。きのうは防府に行ってきた。たまに旅館の温泉だけのところも行きますが、 基本的にはサウナと水風呂がないと。だからスーパー銭湯みたいなところ。温泉地というよりは。
三幸秀稔選手
「水風呂あり、サウナありでいいところあったら、前くんまで」ってテロップを出さないと(笑)
前貴之選手
うん。でも、ほぼ行ってますよ。山口県内は。
三幸秀稔選手
「前くんが行っていないと思われるところがある人は、連絡ください」に訂正 (笑)。でもけっこう行ってるよね。それを言えた人は、前くんの髪ゴムをプレゼントしますって(笑)
前貴之選手
(笑)。下関も、宇部も、美祢も。下松の健康パークも行った。
三幸秀稔選手
下松はけっこう遠くない?
前貴之選手
(地図で下松市付近を指して)ここらへんまでですね。ほぼ行ってますよ。
三幸秀稔選手
秋穂荘も行ったんだよね?
前貴之選手
秋穂荘も良かった。水風呂もサウナもあるし。
ー ー オフで会うことは?
三幸秀稔選手
きのう一緒にご飯を食べた。
前貴之選手
選手でオフに会うのはヒデくらいですよ。
三幸秀稔選手
あとはツボさん(坪井慶介選手)?
前貴之選手
うん。でも、極力一人でいる。買い物も一人で行く。福岡とか、広島とかにも。
三幸秀稔選手
温泉の情報は、ツボさんとタカでけっこう情報を共有してるよね。
前貴之選手
そう。で、小倉まで行ってる。
三幸秀稔選手
そっちまで手を出してる…
前貴之選手
でも北九州の選手がめっちゃいる。たぶんクラブで入れるようにしてる。だから安藤くん(安藤由翔選手)とかにも会ってた。
三幸秀稔選手
そういうのはスーパー銭湯的なところが多いよね。横浜FCとか、大宮も、甲府も、みんなが行ってるところがある。
前貴之選手
札幌はクラブハウスに全部あった。サウナも水風呂も。
三幸秀稔選手
えー。サウナがあるってすごいね。
常に自動昇格圏を狙える場所へ。
ー ー 最後に、今年の目標を聞かせてください。
三幸秀稔選手
最低でもプレーオフと、自動昇格は常に狙える位置にシーズンを通して居られれば。早くにそういうところから離脱しない状況を続けられれば、自ずと(昇格が)見えてくると思うので、そういう位置に常に居られるようにしたい。
前貴之選手
チームとしては最低でもプレーオフに行く。最低でも6位以内。
個人としては…。去年は出られなかった試合が出場停止の2試合だけだった。でも、止めるときは止めなければいけないので、それをなくすのは無理かもしれない。試合数どうこうよりは 去年よりもゴールやアシストを多くするというところですかね。
三幸秀稔選手
個人としては求められている仕事をしっかりやる。あとは勝つためにプレーする。アシストが必要ならアシスト。ゴールが必要ならゴール。アンカーなら何をする、トップ下なら何をする。細かいところを突き詰めた上で、 90分間を通して勝つためにプレーする。それを42試合、勝つために1年間を通してプレーしたいと思います。